2012年1月24日火曜日

民法講義 IV 債権総論 第3版補訂

名詞解釈

  1. 物権法原理:「人」(主体)が「物」に対して接触関係(法律関係)を持つということは、その「物」を使用したり、それから収益を得たり、それを処分したりすることであった、これらの接触関係は<支配>という観念で総括することができる。
  2. 債権法原理:「人」と「人」とが社会的接触をもつことは<要求:義務>の関係を生じさせることであって、両者は、その<要求:義務>を基礎とする規範的結合関係にあるといえるのである。
  3. 債権:ある人Aと他の人Bとが社会的接触関係をもつときに、A(債権者)がB(債務者)に対して一定のことを要求すること、B(債務者)からすれば、A(債権者)に対し一定のことをすべき義務を負うこと。
  4. 債権が発生する:1つとして、社会生活における人的接触契機の典型である「交換ないし取引」関係の発展形態を例にとる。

2012年1月21日土曜日

法学講義 民法I 総則 第2版

名詞解釈

  1. 法律行為 : 権利の発生や変更・消滅などの権利変動の原因の一つであり、意思表示を要素とするものを抽象的にまとめて表す概念です。
  2. 法律行為(契約)の成立 : 
  3. 意思表示 : 社会通念上一定の法律効果の発生を意図しているとみられる意思(効果意思)の表示行為をいう
  4. 意思表示の成立 : 
  5. 契約成立の判定 : 
  6. 契約成立時期 : 
  7. 意思の欠缺/意思の不存在 : 意思表示が行われた際に内心と表示が一致しないことを呼ぶ。心裡留保(単独虚偽表示)、虚偽表示(通謀虚偽表示)、錯誤がこれにあたる。
  8. 心理留保 : 自分の内心と表示が不一致であることを知りながら、真意でないことを表示すること。この場合、表示主義的な要請が優先するため、原則として意思表示は有効である(民法93条本文)。しかし、相手方が表意者の真意を知っているか、真意を知ることができた場合には、相手方を保護する必要がなくなるので意思主義により無効となる(民法93条但書)。
  9. 虚偽表示 : 意思表示を行うもの(表意者)が相手方と通謀してなした虚偽の意思表示のこと。内心と表示の不一致を本人が知っているだけでなく、相手方と通じてする虚偽の意思表示をすること。この場合、意思主義的な要請が優先するので無効となる(民法94条1項)。しかし、善意の第三者との関係では、取引の安全より意思主義が制限されるため、無効を対抗することができない(民法94条2項権利外観理論)。
  10. 錯誤 : 内心と表示の不一致を本人が知らないこと。この場合も意思主義的な要請が優先され、意思表示は原則として無効となる(民法95条)。ただし、表意者に重大な過失(重過失)があるような場合は、相手方を犠牲にしてまで表意者を保護する必要はないので意思主義が制限され、表意者は無効を主張できない(民法95条但書)。
  11. 詐欺 : 他人を欺罔(ぎもう:人をあざむき、だますこと)して錯誤に陥れること。詐欺による意思表示は、その意思の形成過程に瑕疵があるため取り消し得るものとされる(民法第96条)。ただし、詐欺による意思表示を取り消したとしても、その効果を善意の第三者に対抗することはできない(民法96条3項)。これは、注意をすれば錯誤を回避することは必ずしも不可能とはいえないことと、善意の第三者を保護することで取引の円滑性を確保する必要があることによるものである。
  12. 強迫 : 暴行・監禁あるいは害を加える旨の告知、さらにこれらの行為の組合せによって人に恐怖を抱かせ、その行為を妨げることである。強迫によってなされた意思表示は瑕疵あるものとされる。
  13. 消費者契約法での契約締結過程の問題 : 契約締結過程の問題というのは,契約締結に至る途中に,事業者側に一定の行為があった場合には,その契約を取り消すことができるというものです。この「一定の行為」の中には,事実と異なることを告げる(不実告知),将来における変動が不確実な事項について断定的な判断を提供する(断定的判断提供),重要事項について故意に消費者に告げない(重要事実不告知),勧誘場所から立ち去らない(不退去)・立ち去らせない(退去妨害)ことにより消費者を困惑させる場合が含まれます。
  14. 消費者契約法での契約条項の問題 : 契約条項の問題というのは,消費者契約の条項(約款)に,消費者にとって一方的に不利益な条項が含まれている場合,一定の条項についてはその条項を無効とするというものです。条項が無効とされる場合には,例えば損害賠償責任全部を免除する条項,事業者の故意重過失による損害賠償責任の一部の免除を定める条項などがあります。また、部分的に無効となる場合として,消費者が負う損害賠償の予定額が「事業者に生ずべき平均的な損害」を超える条項のうちその超える部分などがあります。
  15. 瑕疵(かし) : 通常、一般的には備わっているにもかかわらず本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないこと。詐欺や強迫によってなされた意思表示のこと。表示に対応した効果意思は存在するが、その表示過程に瑕疵がある意思表示、とも説明される。こうした意思表示のもと結ばれた契約は、取り消しうる(遡及的に無効になる)場合が多い。ただし動機の錯誤は、厳密な理論上では瑕疵ある意思表示の一類型であるが、広い意味で内心と表示が食い違うということで錯誤(民法95条)の一類型として処理されるので、その効果は無効(ただし取消的無効)である。
  16. 効果意思
  17. 法律行為の有効条件 : 売買契約などの法律行為は、意思表示があって成立するが、その内容のすべてが常に有効となるわけではない。法律行為が内容的に有効であるか否かは、四つの基準をもって判断される。これらすべての基準を満たしていなければ、法律行為は内容的に有効とはならない。基準は確定可能性、実現可能性、適法性と社会的妥当性を含む。
  18. 確定可能性 : 裁判が権利の実現を強制できるようにするため法律行為の内容は確定していなければならない。確定しないときは、その法律行為は無効である。ただし、内容が確定していなくても、法律行為の解釈により確定しうればよい(判例)。
  19. 実現可能性 : たとえば滅失してしまった物を客体とする売買など、原始的(法律行為の成立時から)に不能な法律行為は、実現が不可能であるから無効である(判例)。
  20. 適法性 : 違法な法律行為は、国家が権利の実現に協力することができないから有効とはできない。すなわち①強行法規に違反していないか、②脱法行為ではないか、という基準がある。
  21. 社会的妥当性 : 法律行為が有効であるためには、その内容が、社会的に妥当であるものでなければならない。これは公の秩序や、善良の風俗(一般の社会的な利益や倫理)に反する行為であってはならないということを意味する。"社会的妥当性のある行為"とは、公序良俗("公の秩序"と"善良の風俗"を省略した用語)に違反しない行為ということになる。
  22. 強行法規 : 公の秩序に関する規定で当事者の合意で変更できないものを強行法規(強行規定)という。強行法規に反する当事者の特約は原則として無効となる。対して、当事者の特約が優先するような規定を"任意法規"という。強行法規違反としては以下のような行為が挙げられる。
    • 資格や免許が必要な行為を、無免許、無資格で行った場合
    • 取引について許可を求める行為を無許可で行った場合(経済統制法違反)
    • 法の定めを超えた価格での売買契約を行った場合(統制価格違反)
  23. 脱法行為 : 強行法規違反として無効となることを免れるため、他の形式で同一の目的を遂げようとする行為を脱法行為というがこういった法律行為は、どう処理されるのか。法律で脱法行為を禁止している場合は、当然該当の脱法行為も禁止される。問題となるのは、以下のような契約である。
  24. 契約の解釈 : 
    • 当事者が定めた契約内容を明らかにする。
    • 当事者が定めていない事柄を補充する(補充的解釈)。
    • 当事者が明示的に定めた事柄について修正する(修正的解釈)。
  25. 権利能力 : 私法上の権利・義務の帰属主体となり得る資格をいう。自然人は出生により権利能力が認められる(民法第3条1項)。明文の規定はないが、自然人の権利能力の終期は死亡であるとするのが通説である。
  26. 胎児の権利能力 : 胎児については、不法行為による損害賠償請求、相続、遺贈について、「既に生まれたものとみなす」(民法第721条民法第886条民法第965条)ものとされ権利能力が認められる。ただし、この「既に生まれたものとみなす」の解釈について学説は対立しており、従来の通説・判例は胎児は出生までは権利能力が認められないものの、胎児が生きて生まれてきたことを条件として権利能力が問題となる時点にまで遡及して生じるものとして扱う意味であるとする法定停止条件説(人格遡及説)の立場に立っている(「胎児」の項目の「法学における胎児」の節参照)。また、胎児は父から認知を受ける地位を有する(民法第783条)。
  27. 外国人の権利能力 : 外国人(日本国の国籍を有しない者をいう。)の権利能力には、「法令又は条約に禁止ある場合」があり得る(民法第3条2項)。その例として、土地に関する権利の享有(外国人土地法1条)、国家賠償(国家賠償法6条)などが採用する相互主義に基づく制限や、知的財産権の享有に関する制限(特許法25条実用新案法55条3項意匠法68条3項商標法77条3項など)がある。
  28. 意思能力
  29. 制限行為能力者制度
  30. 未成年者
  31. 成年後見制度概観
  32. 後見
  33. 保佐
  34. 補助
  35. 後見、保佐、補助審判相互の関係
  36. 住所 : 個人あるいは法人が生活の拠点にしている場所のことである。
  37. 居所 : 継続して居住しているものの生活の本拠というほどその場所との結び付きが強くない場所のことである。
  38. 仮住所 : ある行為について仮住所を選定したときは、その行為に関しては、その仮住所が住所と見なされる。
  39. 不在者 : 住所又は居所を去った者のことをいう(民法25条1項)。民法上の不在者と言えるためには、従来の住所又は居所から何らかの原因で離脱し、容易に復帰できないことまで必要とされる。
  40. 失踪宣告 : 不在者、生死不明の者(死体が確認できていない者など)を死亡したものとみなし、その者にかかわる法律関係をいったん確定させるための制度である。
  41. 失踪宣告の要件 : 失踪宣告の要件は以下の通りである。
    • ある者について所在・生死が不明な状態が継続したまま、民法に定められる一定の期間(失踪期間という)が経過すること
    • 利害関係人の請求があること
  42. 失踪期間 : 失踪期間は30条に定められており、1項が普通失踪の規定、2項が特別失踪(危難失踪)の規定である。
    • 普通失踪 - 失踪期間は不在者の生死が明らかでなくなってから7年間(30条1項)。
    • 特別失踪 - 失踪期間は危難が去ってから1年間(30条2項)。
  43. 失踪宣告の効果 : 失踪宣告を受けた者は以下の時期に死亡したものとみなされる(いずれも失踪宣告がなされた時ではないので注意を要する)。
    • 普通失踪 - 失踪期間7年が満了した時(31条前段)
    • 特別失踪 - 危難が去った時(31条後段)
  44. 失踪宣告の取消 : 失踪宣告を受けた者が生存していること、または失踪宣告による死亡時とは異なる時に死亡したこと、失踪期間の起算点以後のある時点で生存していたことが判明し、本人ないし利害関係人より請求があった場合、家庭裁判所は失踪宣告を取り消さなければならない(32条1項前段)。
  45. 代理 : 本人に代わって別の人間が意思表示を行うことにより法律行為(契約等)を行い、その効果が本人に帰属する制度をいう。
  46. 代理の種類 : 本人の意思や信条に基づく任意代理と法律上の規定によって代理権が与えられる法定代理とがあります。
  47. 任意代理
  48. 法定代理
  49. 代理と類似する制度 : 代表、使者と間接代理
  50. 代理の適用範囲
  51. 代理権
  52. 復代理 : 代理人がさらに代理人を選任し本人を代理させることである。
  53. 条件 : 法律行為の効力の発生・消滅を、将来の発生が不確定な事実にかからせる付款またはその事実である。
  54. 条件の成就 : 条件が実現することを条件の成就という。
  55. 条件の種類 : 停止条件と解除条件、積極条件と消極条件
  56. 既成条件
  57. 不法条件
  58. 不能条件
  59. 随意条件
  60. 法定条件
  61. 条件に親しまない行為 : 条件を付すことができない法律行為を「条件に親しまない行為」といい、このような法律行為は全体として無効である。主に身分行為についての公益上の不許可と単独行為についての私益上の不許可がある
  62. 時効制度 : ある出来事から一定の期間が経過したことをおもな法律要件として、現在の事実状態が法律上の根拠を有するものか否かを問わずに、その事実状態に適合するよう権利または法律関係を変動させる制度。

初めての単位修得試験

明日は初めての単修試験日になる。

民法I総則だが、勉強する本もなく、過去問もどこで入手できるかわからない。たぶん無理だろう。